一昨日はかなり雨が降りましたが、6月17日月曜日は、昨日に続き梅雨の晴れ間となりました。上高地は私は一昨年初めて行ったのですが、家内はまだ行ったことがなかったので行ってみることにしました。
朝5時に家を出発しましたが、沢渡でバスに乗り換え、上高地に着いたのは9時を少し過ぎました。
バスから見た大正池です。晴れていれば大正池の向こうに穂高岳が聳えて見えるのです。バスの乗客は私をいれて10名ほどですが、私たち以外は全員大正池でバスを降りました。
大正池から河童橋まで梓川沿いの遊歩道があり、1時間の行程です。上高地での散策はそのコースを歩く人が多いようです。
私たちは、終点の上高地バスターミナルまで行き、そこから歩きました。河童橋はターミナルから5分ぐらいです。観光客はいましたが、それほど多勢ではありません。
河童橋周辺から穂高岳がよく見えれば、そこで絵を描いて過ごすだけで良いと思っていました。
しかし、穂高岳は雲の中でした。明神の方へ行くと、穂高岳は明神岳に隠れて見えなくなるのですが、しばらく待っても穂高岳は姿を現しそうにないので、明神の方まで行ってみることにしました。
明神池はまだ行ったことが無かったのです。
河童橋を渡らずに明神の方へ向かう道は、その先、徳沢園、横尾と続きます。横尾までは3時間ほどかかり、そこから涸沢への道と槍沢への道が分かれます。
明神まででしたら1時間ぐらいの平坦な道ですから、登山の格好でなくても大丈夫でしょう。
一昨年初めて上高地へ来たときは、テントを背負ってあまり余裕がなく歩いていましたし、帰りは雨でしたから、花に目を留めていませんでした。
家内は色々な花があるのを見つけますから、今回は上高地にはたくさんの花があることに気づきました。
写真を撮って来て後から、図鑑などで調べますが、なかなか何という花だかわかりません。上高地ビジターセンターのHPにも植物図鑑があります。そうして名前がわかったものとしては、この2種類ですが、最初のピンク色の花が縦に並んでいるのは、ベニバナイチヤクソウ。次の白い花はミヤマカラマツのようです。
この4種類は青い5枚の花びらのものはエゾムラサキ。8枚の葉の上にさらに4枚あるものはクルマバツクバネソウ。続いて白いオドリコソウ。最後はマムシグサと思われます。
この4つはまだ名前がわかりません。最初の青紫の花はラショウモンカズラとも思われますが、似たような花はたくさんあるのです。おそらく見分けるポイントはあるのでしょう。
花の写真を撮りながらゆっくりですから、河童橋から明神までは50分かかりました。
途中、国立公園のスタッフの青年がいきなり、肩から下げていたマシンガンを林に向かって連写しました。近づいて聞いて見ると、猿が歩道の方へ来ないようにエアーガンで追っているのだそうです。
元々は山の中を群れで回遊していたそうですが、観光地へ居座る様子もあるようです。人間が餌を与えないようにしなければなりません。しかし、帰りにバスの中から見た大きな猿は遊歩道の欄干に居座っていました。人間はどうそこを通り抜けたら良いのでしょうか。
我々は明神の吊り橋を渡り、明神池を目指しました。吊り橋から上流を見た写真ですが、ここから横尾まではまだまだあるのがわかります。
対岸に渡ってすぐ、鳥居のある穂高神社奥宮が見えます。その脇に嘉門次小屋があります。上條嘉門次はウェストンを北アルプスに案内して有名になった人です。
嘉門次小屋の先に明神池が見えて来ました。
明神池は、神社に拝観料300円を払って入ります。朱色に塗られた小舟がありましたが、先頭に飾りをつけ神事に使うようです。
一の池と二の池が続いています。静寂で神秘的な雰囲気があります。
右岸を河童橋まで戻ります。右岸の道は木道が多く、道幅は、左岸よりも狭いです。並行して砂利道の車道があります。一昨日、こちらは雨風が強かったらしく、散策路を倒木が塞いでいるために車道へ迂回する箇所がありました。
道の両脇は笹原が広がり、植物の方は左岸の道の方が多く見られました。
左岸の道は道幅が広くまっすぐ明神へ向かいましたが、右岸の道は、川に近づいたり離れたりします。驚くほど早く流れている箇所もあれば、ゆったりと流れているところもあります。どちらも水が綺麗で透き通り川底もよく見えています。
河童橋の近くまで戻って来たのが11時45分ごろでした。明神からは1時間以上かかりました。明神池に寄ったせいでもありますが。左岸の道よりも時間がかかりました。
戻って来ても、穂高岳は雲の中でした。上空は青空も見えています。
雲が動くことを期待しながら、ここで水彩を描くことにしました。一瞬だけ雲が薄くなりました。奥穂高岳の山頂ははっきりとは見えませんでしたが、その瞬間を捉えて上の方はスケッチしました。
上高地バスターミナルからは1時過ぎのバスに乗りました。
この日は、上高地の後「日野春アルプ美術館」へ挨拶に伺い、今年の9月13日からの個展のことを少し相談しました。
せっかくの梅雨の晴れ間ですから日帰りではなく、どこかへ泊まって翌日は八ヶ岳をスケッチすることを考えていました。
泊まりはこちらへ来る時によく利用する「ロッジ山旅」にしました。
「梅雨の晴れ間の飯盛山」へ続きます。