甲斐大泉にある「ロッジ山旅」は山のガイドをされている長沢さんの経営するロッジです。館内には中村好至恵さんの山の水彩画がたくさん飾られています。
新しくなった食堂にある中村さんの絵が入れ替えられていました。「仙丈ケ岳」の水彩は1996年の作ですからだいぶ昔の絵のようですが、惹きつけられるものがあり、しばらく眺めていました。
写真を撮ってくれば良かったです。
「ロッジ山旅」は18日、東京で開設20周年の記念パーティーが行われるとのことでした。開設の頃からの古い山仲間が発起人となって行われるそうです。そう言えば山の先輩からそういう話を聞いたことを思い出しました。
私はロッジ山旅とはここ3年ぐらいのおつきあいなので、このパーティーには参加しませんが「ロッジ山旅」は今後も利用させてもらおうと思っています。
また、長沢さんの書く山に関する文章はユニークでそれも楽しみにしています。
ロッジ山旅に泊まった時は、私はたいてい早く起きて朝食の前にスケッチに行きます。すぐ近くに林が大きく切り開かれてしまった場所があるのですが、そこから北岳と甲斐駒ケ岳がよく見えていました。
この日は、白駒池か、あるいは八ヶ岳が見える平沢峠かどちらかにしようと思っていました。あまり歩かないのであれば「平沢牧場」が良いと長沢さんは言うので、そちらにすることにしました。
カーナビで平沢牧場を見つけセットして行くと、金網の門で行き止まりとなりました。さらに別の道を探しましたが、とんでもない山の上の畑まで行ってしまい、また引き返すことになりました。
多分、ずっと下の方に「飯盛山登山口駐車場」を示す看板があったので、そこへ車を置いて歩いて行くのが正解だったのでしょう。
結局清里まで引き返し、野辺山から回って平沢峠へ行きました。あとで調べると、平沢の集落から平沢峠へ行く道もあったようです。
平沢峠は、分水嶺になっており、この峠を境にして雨水は太平洋側と日本海側の川へ分かれて流れて行くのです。
峠の駐車場からは目の前に八ヶ岳が大きく見えます。しかし、山頂部分は雲の中でした。
いくら雲が絡んだ八ヶ岳の姿も絵になるとしても絡み過ぎです。ここまで山頂部分が隠れると絵にはなりません。
予定外ではありましが、飯森山が見えるところまで平沢山方面へ登ってみることにしました。
時間は朝9時を少し過ぎた頃です。
平沢峠からしばらくは樹林帯の登りです。元々、山登りをするつもりで来ていませんから、家内は超スローペースです。樹林帯を抜けて飯盛山が見える箇所、平沢山の肩まで約1時間かかりました。
若い方なら30分の距離だと思います。
平沢山へはこの手前から踏み跡がありましたが、こちらのメインの道をもう少し飯盛山が正面に見えるところまで行くことにしました。
この辺りから飯盛山をスケッチしても良かったのですが、この先に気持ちの良さそうな丘が見えて来ました。登りが大変そうに見えますが、意外とそうでも無いのです。
家内には無理を言ってそこまで登ってもらうことにしました。
私が目の前の飯盛山をスケッチしている間、家内はしばらくは周りの景色を見ていましたが、先にゆっくりと降ると言って降りて行きました。
私は30分ほどスケッチしてから、ついでに飯盛山の山頂まで行って来ました。
この日は平沢の集落の道でもすれ違ったのですが、バス4台を連ねた小学生が登って来ていました。飯盛山の山頂は小学生の集団が記念撮影をしているので近づけず、山頂直近で引き返しました。
その後、家内に追いつくために急ぎましたが、平沢山の肩から少し降ったところで追いついてしまいました。
このあとはゆっくりと降って行きましたが、家内は私が見落としてしまうような周囲の様子にも気づくようで、面白いものを見ることができました。
これは岩の上に蝶が集まっていたのです。蝶だけではありません。蟻や蜂も来ているようです。
樹林帯に入ってからはハルゼミが盛んに鳴いていました。しかし、いくら木を見上げても見つけられません。
しかし、家内は道と脇にある草木に止まっているハルゼミを素早く3匹も見つけました。
羽化したばかりなのでしょうか。カメラを近づけても逃げません。鳴き声も木の上で鳴いているハルゼミよりも雑音の多いギャーギャーという感じで少し違います。
しばらくするとパッと飛んで行ってしまいましたが、こんなにカメラを近づけても逃げなかったセミは初めてです。
平沢峠の駐車場には12時半ごろ戻って来ました。
梅雨の晴れ間で日差しはありますが、湿度が低いようで気持ちよく歩けました。
また雨降りの日々に戻るのでしょうか。
ちょうど良い時に、上高地と飯盛山を歩けました。
梅雨の上高地へ 戻る