陶芸教室で教わる

 私の妻が先に陶芸教室に通っていました。私は、2014年に勤めていた学校の美術部の生徒たちの作品を焼いてもらうことがあり、そこで初めて陶芸教室の先生にお会いしました。

 そして2015年に退職し、6月から私もその陶芸教室に通うようになりました。

 

 私は、それまでも中学校の美術の授業で陶芸を教えてきましたがほとんど自己流です。

 

 陶芸教室に入って、まず粘土の菊練りを先生の前でやってみました。「なんか違う」と言われました。確かにそれまでの私の菊練りは、空気が入りやすかったのです。

 「左手の使い方が違うようだ」と言われました。

 そして教わった通りやってみると、いい感じです。

 

 それから、コップを作っていたら、なめし皮の使い方を教えてくれました。先生のやり方でなめし皮を使うと、滑らかにするとともに、縁をしっかりと締めることができるのです。作品の縁をしっかりと締めないと縁からヒビが入ってきたりするのです。

 「器は見た目よりも、持った時に少し軽く感じられるように作ると良いよ」ともその時に言われましたが、このことは結構ポイントとなることなのです。

 

 ここの陶芸教室は、先生が自分の制作に打ち込める時間を作るために陶芸教室を縮小中でした。私は妻が先に入っていたので、なんとか入れてもらいました。

 色々な陶芸教室があるようですが、ここは自由にやらせてくれます。私は常にろくろを使って作っていますが、妻は手びねりだけでやっています。先生は初心者だから手びねりからなどとは言いません。あまり、ああしろこうしろとは言いませんが、こちらから聞くと的確に教えてくれます。

 私も妻も作りたいものが自分でありますから、自由にやらせてくれる陶芸教室はありがたいです。逆に教えてくれるのを待っているような人には、こうした陶芸教室は合わないかもしれません。

 

 コップなど小物を作ったあと、大皿作りに取り組みました。なかなか大きな皿がひけません。先生にコツを教わったあと、しばらく皿作りを繰り返していました。30㎝オーバーの皿がひけるようになることが一つの目標だと言われました。

 

 大皿のあと、筒ものに挑戦しました。先生の話では、これも高さ30㎝を超える筒がひけるようになることが目標だとおっしゃっていました。周りを見ると陶芸教室には、昔、先生が練習で作った円筒の入れ物がいくつもあり、筆立てなどになっています。

 筒は皿よりも難しかったです。しばらくは陶芸教室に行くたびに筒をひいていました。先生も「たまには違うものをひいてみるといいよ」と言われたほどです。

ある時、筒をひいていると、「上手くなったねえ」と先生に言われました。嬉しいものです。いつも教員として教える側にいましたから、褒められる経験は少ないです。しかし、教員こそ褒められる嬉しさを味わうべきです。きっと自分の指導の仕方も違ってきます。

 

 ある程度自由に筒がひけるようになった頃、ブナの樹の美しさにハマってブナの樹の絵を描いていました。そこで、陶芸でもブナの樹を作って見ようと思い、ブナの樹の一輪挿しを作りました。

 樹肌は、先生に教わってスポンジを使って色化粧土をつけてみました。


陶芸教室での体験はこれからもしばらく続きます。

定年退職後2年間たってから東京の生家に引っ越しました。しかし、ここから1時間半かけて陶芸教室には通っています。もう少し先生から教えてもらおうと思っています。