ろくろを使わず、板づくりという技法で、皿を作る陶芸です。
まだ、私にとって完成された方法ではなく、試行錯誤の最中ですが、現在の段階の制作の経過をまとめてみました。
横15㎝縦10.5㎝という小さな角皿です。一つ作るのに、手のひらに入る量の粘土で十分です。
粘土は特赤5.5という信楽の粘土を使いました。
水分を均一にし、空気を抜くためによく練らなければなりません。空気を抜くには、小さくちぎった
粘土を拳で叩いて潰しながら重ねて行くのが簡単な方法です。
板づくりにはたたら板という細長い平たい板と、のし棒を使います。このたたら板は5mmの厚さです。作りたい大きさがちょうど中に入るように粘土の向きを変えたりしながらのしていきます。
厚さが、たたら板と同じになったら、板を外し、ステンレスのヘラで表面を数回なぜます。
ステンレスのヘラでなぜたときに、空気が入っている場所はプクッと膨れます。中に、空気溜まりがあるということです。あまり大きな空気溜まりがたくさんあるようでしたら、粘土は練り直した方が良いです。
写真では、米粒よりも小さいぐらいの空気溜まりが見つかりました。陶芸用の針でほじくって空洞を見つけ、ドベと粘土の粒で埋めてしまいます。
空気溜まりがなくなり、表面が綺麗に整ったら、型紙を乗せて粘土を切り抜きます。できるだけ、切り口がシャープになるようにします。
今回の板皿づくりのために作った石膏型です。この上に粘土を乗せるのですが、1mmでもずれるとダメなので、よくチェックします。
また、写真では縁がヨレヨレですが、これもできるだけこの段階で直してしまいます。
この時は、古い蚊帳をあてて蚊帳の網目をつけるようにしました。皿は、縁の粘土を締めないと、そこからヒビが入ったりします。指で縁を押して粘土を圧縮し締めます。
蚊帳を外したら、サインを入れます。
古い蚊帳は、世田谷のボロ市で買ってきたものです。
石膏型を外す際に、まず板を皿の底に当て、板ごとひっくり返してから外します。プラスチック板と粘土の間には新聞紙を挟んであります。
粘土の作品は、縁の方が先に乾いて行きます。バランスよく乾かした方が作品が歪みません。そのために、内側に新聞紙を敷きました。そして、それを発泡スチロールの箱にしまいました。
蓋をして2週間ほどかけてゆっくりと乾燥させれば、薄い板皿でも歪まないようです。
つい最近は、蚊帳を使わない方法に変えています。できるだけ、作品をシャープな感じにしたいためです。蚊帳を使った皿は、伊羅保釉をかけようと思っています。シャープな感じの方は、ブロンズ釉をかけて、銅板の皿の感じにしたいと思っています。
陶芸教室がコロナの緊急事態宣言を受けて、2月いっぱいまでお休みになっているので、ロクロを使わず自宅でできる方法で作品を作っているところです。