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四方津御前山

 四方津には駅から斜めに上がる斜行エレベーターで行くことのできる山上の街があります。御前山はその街の東側にあります。

 ネットで四方津御前山を検索すると、テレビ塔のある東峰とは別に西峰では岩山をよじ登る写真がありました。この岩山の上なら見晴らしが良いだろうと思って出かけました。


 駅から斜めに上がる斜行エレベーターはコモアブリッジと呼ばれているようです。3分程で上まで上がりました。


 四方津の山上の街は、比較的大きな家が多いです。それぞれ様々な形をした家ですが、環境重視の建築規制が細かく決められているようです。

 学校の脇を通った時、犬を連れた若い親子連れに出会ったので、登山口を聞きました。しかし、この住宅に住んでいても御前山には登ったことがないらしく、知りませんでした。少し行くと、控えめでとても小さな案内板がありました。


 ガス会社の脇の道を入り、奥の曲がり角に登山口がありました。そこからは階段で尾根道に取り付くようになっています。しばらくは緩やかな尾根道です。給水塔でしょうか。円筒の構造物が見えてきました。


 尾根道は途中からかなりの急勾配になります。この部分がこのコースで一番大変なところでしょう。その先、傾斜が緩やかになり鞍部に出ます。左に踏み跡がありましたから、これが西峰への踏み跡かなと思いましたが、何の表示もありません。表示は右への道を指したものだけです。右に進むと、山の北側の山腹を通るようになります。落ち葉がたくさん積もっています。あまり歩く人もいないようです。


 石段のようなところがありましたが、落ち葉が積もっていてほとんど隠れています。登り口から約20分ほどで山頂に着きました。こちらが東峰なので、先ほどの踏み跡へが西峰へのルートだったようです。

 山頂にはベンチが置いてあります。富士山の山頂が顔を出していました。葉が落ちていて木の間越しに景色は見えますが、展望はイマイチです。


 三角点のある山頂から少し先にテレビ塔のあるピークがありました。

 テレビ塔のフェンスの向こうに回ると石の祠がありました。木の間越しに見える尾根が上野原方面へと続く尾根です。この尾根を行って上野原駅まで出るつもりもありましたが、まだ、西峰へ行っていなかったので、引き返すことにしました。


 鞍部の曲がり角に西峰へと続く踏み跡があります。薮になっていますが、赤いテープがルートであることを示しています。


 岩場が出てきましたが、特によじ登る必要のないルートです。意外とあっけなく西峰の山頂に出ました。ネットで岩をよじ登っているような写真はだいぶ昔のもののようです。確かに山頂は大きな岩なのですが、草藪がついていて、綺麗な岩の塊には見えません。

 しかし、展望は良いです。

 藤野から鷹取山への尾根が見えています。

 目の前には、要害山があります。

 山頂への手前に大きな岩が乗っている場所があります。その向こう側がテラスのようになっていて、見晴らしが良さそうでした。道はありません。岩に抱きつくようにして行くことになります。行こうか迷いました。右側は断崖絶壁になっています。

 幸い、岩に手がかりがあり、行ってみました。

 半畳ほどのテラスになっていて、目の前は遮るものがありません。確かに良い場所でした。

 しかし、戻ろうとした時に困りました。行くときに掴めた岩の手がかりが反対側からだと掴めないのです。

 こういう場所で事故は起きるのだなと思いました。

 断崖側に身を乗り出すようになりますが、直径10㎝程の木をしっかりと掴み、なんとか戻ることができました。

 山上の街の向こうの山から富士山が顔を出しています。

 絵を描くには難しい感じでしたが、せっかく水彩の道具を持ってきたので、小さなスケッチブックに1枚だけ描きました。


 西峰から直接街へ降るルートがあるようで、赤いテープが見えました。もう、東峰へ戻って上野原への尾根道を行くことは考えていませんでした。

 西峰から直接街へ降るルートはオススメできません。かなり急です。大きな岩の下あたりは、滑らずに下ることにかなり苦労をしました。

 来た道を鞍部まで戻り、もと来た道を下る方がよほど早いと思われます。

 トーテムポールのある公園の裏手が降って来た尾根道です。登りに使うならまだ良いかもしれませんが、上り口に表示はありません。

 左側が西峰です。テラスへ出るために通ったのは、舘岩の上部であることがわかります。失敗していたらかなりの高さを落ちることになったでしょう。

 上野原への尾根道には行かなかったので、11時前には降りて来てしまいました。ちょうど大月からの特別快速が来たので、12時半過ぎに家に戻ることができました。半日の山歩きでしたが、日差しが暖かく、快適な山歩きを楽しめました。