前日に神奈川で雪が降ったので、もしかしたら、藤野駅前の里山も雪景色になっているかもしれないと思い、出かけました。しかし、高尾を過ぎても雪の気配は全くありません。雪景色は電車の中で諦めました。藤野で降りましたが、かなりの人が藤野で降りました。おそらく陣馬山方面へ行くのでしょうが、バス1台では乗れそうもないほどの人です。
私は、とりあえず、ゆずの木が植わっている見晴らしの良い場所を目指して歩くことにしました。時刻はちょうど9時です。
藤野駅であんなにたくさんの人が降りましたが、私の行く方向へ歩く人は誰もいません。線路沿いに相模湖側へ少し戻ったところに踏切があります。それを渡って、トンネルの手前を右に曲がるのです。しばらく行って左へ曲がってトンネルをくぐると藤野神社への道が続いています。
藤野神社はモミジが綺麗でした。
送電線の鉄塔は駅からも見えます。2つ目の鉄塔の場所がゆずの木が植わる、見晴らしの良い場所です。
写真ではそれほど逆光に見えませんが、太陽が低く正面にあるので、とても絵を描きにくい感じでした。その時、以前この尾根道を歩いた時に富士山が綺麗に見える場所でスケッチをしたことを思い出しました。そこまで行ってみようと考えました。
柚子の木がたくさん植わっていますが、実はほぼ全部収穫した後のようです。とても届かないような枝のてっぺんに一つ二つ取り残しがありました。
この先に岩戸山の山頂があるはずですから、そこまでちょっと行ってみることにしました。
柚子の木の見晴らし場所から数分で岩戸山です。ここから富士山が見えますが、山頂がほんの少し顔を出しているだけです。ここではなかったようです。この先に、富士山がよく見えるピークがあっただろうかと記憶をたどりましたが思い出せません。
もう少し行ってみることにしました。
岩戸山からは急な下りがあります。しかし太いロープが木につないであるので助かります。次のピークは小渕山です。ここは見晴らしが効きません。
しかし、木の間から見える富士山はだいぶ姿が見えてきています。もう少し先で、見晴らしの良いところなら富士山がよく見えるに違いありません。
スケッチをした場所はもう少し先だったようです。
小渕山には道標があり、鷹取山へ55分、藤野駅へ70分とありました。もうこんなに来てしまったのです。「これは鷹取山まで行くしかない」とこの時に決めました。
尾根道を行くので、小さなピークの登り下りが多いです。ようやく前方に大きな山容が木の間越しに見えてきました。これが鷹取山でしょう。
右に上沢井への分岐を分けて、登って行き、鷹取山の肩のような場所に出ると、そこは、見晴らしが良い場所でした。ここだったのです。私が富士山をスケッチしたのは。もうほとんど鷹取山の山頂間近です。この場から8分ほどで山頂に出ました。
山頂に着いたのは10時46分です。藤野駅から1時間45分程でした。山頂からは陣馬山が目の前にあります。以前はここから陣馬山を描きました。
今回は、先ほどの場所から富士山を描くことにしました。
上沢井への分岐がありましたから、念のためバスの時間を調べました。あと2時間はバスがないことがわかりました。それなら元来た道を戻るのと大して時間は変わりません。帰りは、巻道があるところは巻道を通るようにしました。
しかし、一箇所、小渕山の巻道で、間違って麓の方へ降りて行く道に入ってしまいました。巻道から尾根上を行く道に入ったのですが、「こんな道、通っただろうか」という感じなのです。見た覚えのない倒木があり、引き返しました。隣に見えている尾根が正しい尾根だったようです。まだ巻道が終わっていなかったのです。登り返すようについている道が巻道の続きだったのです。
ようやく先に岩戸山が見えて来ました。
柚子の木の見晴らし場所に戻りました。逆光ではありますが、朝よりは景色が見やすくなっていました。風もなく、暖かな斜面です。ここでもう1枚水彩を描くことにしました。
紅葉した葉が逆光で輝いていました。その向こう側の山の陰との色の対比が美しかったのです。
遠くに丹沢の山々、その手前に峰山が見えています。京塚山の山腹にあるアート作品「緑のラブレター」は陰の中にあります。
この場所からの雪景色を期待して出かけ、この場所だけで帰るつもりが鷹取山への往復になってしまいましたが、晴れた晩秋の低山歩きを楽しめた1日となりました。
残念だったのは、柚子です。以前登った時には、見晴らし場所の柚子の木にもたくさん実がついており、駅の売店でもたくさん柚子を売っていたのです。今回は収穫後だったようですが、駅や駅前の売店にももう柚子は売っていませんでした。藤野で柚子が手に入るのは11月中なのかもしれません。