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上野村から日野春へ

 上野村の川の駅・森のギャラリーで開かれている、鈴木澄雄さんの「日本の山とブナの森」展を見に行くことと、私の9月からの個展の打ち合わせに山梨県の日野春アルプ美術館へ行くことが目的で旅行をしました。

 群馬県から山梨県へは、ぶどう峠を越えると小海町の方へ抜けられることがわかり、一度に両方のことをやってしまうことにしました。さらに甲斐大泉のロッジ山旅へ泊まることにしたので、立ち寄るところをさらに増やし、かなり充実した旅行になりました。


 上野村は日航機の事故で知られるようになったところです。かなり山奥です。しかし、下仁田から良い道ができています。おそらく、上信越道の下仁田ICから向かうのが一番早いでしょう。川の駅上野には森のギャラリーの他、地元の物産を販売する所や工芸品を販売する所、ワークショップなどを行う建物などがありました。しかし、それらは9時からです。東京から2時間ほどでついてしまい、まだ8時だったので、下の河原に降りて待ちました。

 水の透きとおった川で、よく見ていると小さな魚の群も見えました。


 鈴木澄雄さんは長く丹沢の山で写真を撮られていたようです。しかし、最近は奥会津の山へ行かれるようで、展示されているブナの写真も只見の浅草岳で撮影されたものがありました。

 ギャラリーはワンフロアでそれほど大きくはありません。丹沢で撮影された鹿やウサギの写真は面白いですが、私はもっとたくさんブナの写真を見たかったです。

 入り口に鈴木さんの著書が置いてありました。「さらば丹沢」は写真が主な本です。展示されている写真も載っていました。「心が豊かになる山歩き術」はパラパラと読みましたが、この本は購入して読みたいと思いました。


 いきなりソフトクリームが出て来ましたが、最初のものは、八ヶ岳清泉寮のもので、後のものは八ヶ岳中央農業実践大学校の直売所のものです。清泉寮の方が甘いです。しかし、甘さ控えめでクリームの味のしっかりとした農業実践大学校の方が好みの人もいると思います。

 上野村からぶどう峠を越えて八ヶ岳山麓を目指しました。上野村の川の駅から御巣鷹の尾根へ向かう道と途中まで同じです。途中からぶどう峠へと向かう道に入ると、それまで2車線の綺麗な道から1車線の道に変わります。しかし、所々、道幅が広がる場所もあり、運転しにくい道ではありません。対向車も少なかったですが、カーブからいきなり対向車が現れた時が一度ありました。こちらも用心して運転していましたから大丈夫でした。

 小海町の方へ出て、あとは八ヶ岳の裾野に沿って行きます。11時頃に清泉寮に立ち寄りました。食堂は11時半からなのでまだ空いていませんでした。売店は改築されていて大きくなっていました。奥の方にバーガーを売っていたので、それを買ってテラスで食べました。パンが美味しいです。こぼれたパンくずを狙っているのでしょうか。スズメがテラスの上に来ており、上を見上げると屋根にはスズメが巣を作っていました。


 アルプ美術館には午後1時過ぎに行く約束になっていました。まだ時間がありましたから、近くのハーブガーデンに立ち寄りました。ハーブガーデンとありますが、庭の方はあまり手入れされていません。しかしビニールハウスの中には、たくさんの種類のハーブが育てられています。都内の園芸ショップでもここのハーブを仕入れているところがあります。

 日野春アルプ美術館は大きな屋根の山小屋風の建物です。この2階のギャラリーで9月13日から10月14日まで私の個展を行います。今回、100号の油絵を展示するので、その場所を確認したかったのです。アルプ美術館では80号までは展示したことがあるが、100号は展示したことが無いと言われたのです。しかし、私の作品は縦位置でしたので、ちょうど収まることがわかり安心しました。


 日野春アルプ美術館の後は、小淵沢に友人の須藤氏を尋ねました。今日は、小学生のグループに竹笛作りを教えているところでした。奥さんが東京でリコーダーなどの音楽を教えているのですが、その関係のグループの合宿とのことでした。

 その後、陶芸家の森下真吾さんの工房を訪ねました。森下さんにはお仲間と私の個展の最終日にギター弾き語りのライブをやってもらうことになっています。

 森下さんの作品を私はいくつも持っていますが、中でも吾偶と呼ばれる人形がなかなか素敵です。工房の周りにもそうした吾偶がたくさんありました。今は9月に近所で行われるネコをテーマにした作品展を行うための作品作りをしているようでした。


 この日は、甲斐大泉のロッジ山旅に宿泊の予約をしていましたが、寄るところも多く、到着が遅くなることも考えられたので、夕食は頼まず朝食だけお願いしていました。そこで、夕食は以前入ったことのある小淵沢の「メーラレン」という北欧料理の店にしました。ここは自家製のパンがとても美味しいのです。

 昼はリーズナブルなランチもあるようですが、夜はコース料理のみです。一番安い3780円のコースにしましたが、それでも種類と量はかなりあり、満足できます。写真の料理は北欧プレートと呼ばれるもので最初の頃に出てきます。右隅に写っているパンが美味しいのです。

 メインは仔牛のステーキです。高いコースには、ノルウェー産のサーモンやオマール海老などが付くようです。


 ロッジ山旅についた時にはもう真っ暗でした。小淵沢から甲斐大泉へ向かう道は街灯もあまりなく、私は良く知っている道なので大丈夫ですが、初めての人には夜は少し不安かもしれません。ロッジ山旅は別荘が立ち並ぶ中にあります。

 山のガイドをされる長沢さんが経営されるロッジです。部屋や廊下やトイレまで中村好至恵さんの山の水彩画が飾られています。前回、食堂にある仙丈ヶ岳の絵を見て素敵な絵なので、この夏、仙丈ヶ岳へ行ってきたのです。しかし、もう一度その絵を見ると、私の眺めてきた仙丈ヶ岳の姿とは違いました。長沢さんの話では、その絵の仙丈ヶ岳は北岳から見たものだとのことでした。そう思って見ると私の歩いた場所もわかり納得しました。仙丈ヶ岳の中に居てはなかなか仙丈ヶ岳は描けないものです。

 ロッジ山旅の朝食は和食です。ご飯が美味しく、普段はそれほど食べないのですが、ここではご飯をお代わりしました。

 ロッジ山旅での朝食の前に私は、ちょっと散歩に出かけました。妻はまだ寝ていましたが、私だけ車でまきば公園まで行ってきました。まきば公園の駐車場が開くのは9時からです。まだロープで塞がれていましたが、その脇に車を停め、近くに牛が見えたので行ってみました。


 牧場でスケッチをしたのち、まだ朝食の時間までは間があったので天女山の方へ行ってみました。天女山の駐車場からさらに15分ほど上がると天の河原という場所に出ます。青空も見えていますが、雲が多く展望はありませんでした。マツムシソウが一輪だけ咲いていたのでそれをスケッチしました。駐車場の方へ戻ってくると可愛らしい花が下向きに咲いていました。地面につくような感じでスマホで写真を撮りました。オダマキだそうです。


 ロッジ山旅を出発し、入笠山に上がるつもりでしたが、雲の中のようなので、やめて八ヶ岳中央農業実践大学校の直売所を目指しました。

 以前にも何回か来たことがありますが、新鮮な野菜が安く手に入ります。

 敷地の奥の方にビニールハウスがあって「花」と大きな看板が見えました。今まで行ったことがありませんでしたが、大学校で育てた花を売っていました。

 ケイトウを買って帰りました。

 帰りには勝沼で高速を降り、いつも立ち寄る「百果苑」でぶどうを買いました。行くと色々な種類のぶどうを皿にのせて出してくれるのですが、その中で薄い赤紫色のぶどうがとても美味しかったので、それを買い求めました。「レッドクイーン」という品種だそうです。あまり市場には出回らない品種らしいです。

 ここの店には、個展の期間中何度か寄らせてもらおうと思っています。いつもワンちゃんが人懐っこく出迎えてくれる店です。

 二日目は1日目ほどは立ち寄らなかったので、ごご2時には家に帰り着きました。しかし2日間であちらこちら立ち寄った旅でした。