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再び玉原高原へ

 銅版画の制作を最近始めました。20年以上前には銅版画ばかり制作していた時期もあるのです。美術の授業でも教えていました。

 ブナのスケッチは何枚かありますが、版画を制作するにはもっとたくさんの資料が欲しいと思ったのです。

 4月4日に行った時には、かなりの積雪でスノーシューを履いても潜る新雪が積もっていました。しかし、昨日はそれが嘘のように消えていました。

 昨日は、ブナ平だけでなく、玉原湿原にも行きました。小さな水芭蕉が咲いていました。


 写真は同じ場所の今回と4月の様子です。実は、車の中にはスノーシューも入れて持ってきていたのです。全く必要ありません。

 これは、ブナ平へ上がる手前の台地です。絵になるブナの樹はブナ平よりもこの台地の方でたくさん見つかります。

 雪がある時には、笹は雪の下ですから、縦横無尽にどこでも歩けます。雪が消えて笹が勢いを増しつつあります。夏に行った時には、笹が茂ってブナの樹の根元が見えなくなっていました。雪がある時の方が良いです。

 しかし、こうして日差しを浴びたブナ林も美しいと思いました。これから迎えるブナの新緑も美しいかもしれません。

 部分的には雪が残っています。

 ブナ地蔵と呼ばれるものです。ブナ平の奥の方にあります。

4月に来た時には、スキー場の駐車場からすぐ新雪でしたから疲れてここまでは来なかったのです。今回は、ブナ平からそのまま玉原湿原へ向かうことにしました。

 途中、直接玉原湿原へ降りる道とこの先の三角点を超えて尾根伝いにしばらく行ってから玉原湿原へ降りる道の分岐に来ました。直接降りるコースは25分。尾根伝いのコースは50分とありました。尾根伝いに行くことにしました。

 尾根伝いのコースは途中、水上方面の上越国境の山々が木の間越しに見えました。

 水芭蕉の群落?尾根道から降りて来て木道になったところで水芭蕉のような葉がたくさんありました。花はありません。水芭蕉なのでしょうか。これから咲くのでしょうか。

 ※追記 あとで山の先輩から「コバイケイソウ」ではないかとのご指摘をいただきました。その可能性が大いにあります。この写真を見てこれから咲く水芭蕉と思われた方はご注意を。

玉原湿原は、昨年木道を整備したようです。昨年夏に来た時には工事中で入れなかったのです。

 一箇所、水芭蕉が咲いている場所がありました。手のひらの半分くらいの小さな水芭蕉です。

尾瀬などにある水芭蕉とはだいぶ違います。

 湿原を一周してからまたこの場所へ戻って来ました。空は青空で空気は心地よく、素通りしてしまうのはもったいないと思ったのです。のんびり木道の上に座りなが絵を描いて過ごすことにしました。

 玉原湿原の入り口まで出て来ました。案内図があります。紙に書いたお知らせも近くにあり、それには、十二沢でも水芭蕉が見られると書いてありました。十二沢はスキー場近くの沢です。帰りに寄ってみることにしました。

 玉原湖や玉原湿原からビジターセンターへ戻る途中に「ぶなのわきみず」という場所があります。上はブナ平です。どんどん水が出ています。柔らかな感じのとても美味しい水でした。いくらでも飲める感じです。

 ブナの写真はたくさん撮りましたが、まだブナの樹のスケッチをしてませんでした。再びブナ平への道に上がって来ました。ブナ平までは上がらず、手前の台地でスケッチをすることにしました。いくつも良い樹があるのです。まだお昼前ですが、ここで昼食にすることにしました。

 2枚水彩スケッチをしてビジターセンターに止めた車に戻りました。

 十二沢はなかなか気づかれない場所にあります。写真の上にほうの先にスキー場の駐車場があります。十二沢への入り口に標識があるのですが、古い木の表示で「ミズバショウ群落」とあるのがよく見えないのです。下の交差点からスキー場方面へ上がってくる道は、その先、除雪されていない雪の壁で行き止まりとなります。そのため、車が上がって来ては Uターンして戻って行きましたが、ここに水芭蕉の群落があることは気づかなかったようです。

 ここの水芭蕉は尾瀬と同じ大きさです。ちょうど見頃です。

 木版画にできそうな感じだと思いながらスケッチしました。

 スケッチもしたし、写真はたくさん撮ったので、あとは帰るだけです。沼田ICから高速に乗り、東京に向かいました。

 高速に乗ってすぐですが、バックミラーに雪山が写りました。

 4月に来た時には帰りに赤城高原サービスエリアに寄り谷川岳を描こうとしたのですが、朝ははっきりと見えていた谷川岳も霞んでいたのです。武尊山は赤城高原SAからは見えずらい位置にありました。

 バックミラーに見えていたのは、意外と鮮明な雪山の景色でした。

目の前に昭和ICの降り口が迫って来ました。考える間も無くハンドルを左へ切っていました。昭和ICを降りて左へ150mほど行ったところに道の駅がありました。そこへ車を止めて山のよく見える場所まで歩きました。畑とその向こうに見える武尊山が良い感じでした。鶏糞の匂いが漂う場所でしたが、スケッチをしました。

 武尊山はだいぶ雪が溶けているようでした。

 まだ登ったことのない山です。登ってみようと思いながら水彩を描きました。