玉原高原へ向かう途中、赤城高原サービスエリアから見た谷川岳です。両耳がはっきりと見えています。玉原高原ではなく、天神平へ行ってしまおうかと一瞬思いました。
玉原高原は沼田の町から30分ほど車で北へ行ったところにあります。冬はスキーリゾートになっており、5月までスキーができるそうです。
今年は雪が少ないだろうと思って行ったのですが、ここ3日間ほど雪が降ったようで、新雪が15㎝から20㎝ほど積もっていました。
7時半ごろにスキー場の駐車場に到着しました。平日なので、駐車場料金は無料です。まだ数台しか停まっていませんでした。
ブナ林の入り口までは、駐車場から1㎞ほど林道を歩きます。雪の斜面の下に林道が埋まっています。私はもっと雪の少ない時に来ていますので、道がどこを通っているかわかりますが、初めての人にはわからないでしょう。このルートはスキー場から玉原湖へ向かう林道へ近道をするルートですが、除雪されていないのです。遠回りになりますが、車で来た道を沼田の方へ少し戻るとわかりやすい道に出ます。
誰も踏んでいない新雪です。スノーシューを履いても少し雪に潜ります。
近道からメインの林道に出ました。雪が多かった一昨年でもここは雪が溶けていたのです。しかし、今回は真っさらな雪が積もっていました。スノーシューを履いていても雪に潜るので、結構疲れます。
1㎞ほど歩くとようやくビジターセンターの建物が見えてきました。
ビジターセンターから先も小さな除雪車で除雪されていたようです。雪の壁ができています。しかし、ブナ林はこの雪の壁の右側なのです。肩ほどの雪の壁を登るのは容易でありません。仕方なく、雪の壁が腰ほどの場所まで引き返して雪の壁の上に這い上がり、この入り口まで戻ってきました。
人が入った跡はありませんが、動物の足跡はあちらこちらにありました。最初の写真はウサギだと思います。次の写真の足跡は何なのでしょうか。人間の靴のサイズぐらいの穴がまっすぐ一列に並んでいました。
クマも冬眠から覚めて歩き回っているのではないかと思い、100円ショップで買ったおもちゃのピストルを持ってきました。夏にも使ったことがあるのですがその時には蝉の鳴き声もうるさく、あまり効果がある感じがしませんでした。しかし、今回は、たまに枝から雪が落ちる音がするぐらいで静寂な世界です。パーンという音が山に響きました。
急な雪の斜面を登ると緩やかな傾斜のある台地に出ます。ここもブナの林です。ブナ平と呼ばれる台地はさらに奥の斜面を登ったところにあります。
ブナ平へ登る前に下の台地でブナを描きました。このブナの樹は3年前に来た時にも描いたブナの樹なのです。
これまで4回ほどブナ林には来ていますが、絵を描くだけでしたら、下の台地で十分です。下の台地には小さな沢の源頭があり、地形としても変化があります。上のブナ平は、山の上にこんな平地があるのかと驚く広さです。
実は、ここへたどり着くだけでもかなり疲れていました。スノーシューを履いていても新雪で雪に潜るので、足の上げ下げでかなりへたばっていたのです。
絵も描けたし、写真もかなり撮ったので、今回はブナ平へ上がるのはよそうかと思っていました。
雪の斜面を汗をかきながら登り、ブナ平まで上がりました。途中まで元来た道を戻りかけたのです。しかし、ここまで来たのだからあと15分の頑張りだと思い直し、左へ向きを変えて雪の斜面に向かったのです。スノーシューは急な斜面は真っ直ぐには登れません。3年前に行った時には輪かんじきを使ったのですが、斜面には輪かんじきのほうが有利です。
ブナ平は広いです。一昨年に行った時には、ここでリングワンデリングをしてしまいました。
ブナ平にはいくつか樹木の案内や道しるべなど標識が立っているのですが、今回、どれも見つかりませんでした。一昨年は、その標識類がすっかり埋まるほどの積雪でした。今年は新雪はあるものの積雪の量は3年前とほぼ同じです。ブナ平を半分以上奥まで入ったところで引き返しました。
足も痛くなっていたので、帰りの距離を考えて、それ以上行くのをやめたのです。
ビジターセンターまで戻って来ました。ここからさらに1㎞はあります。ビジターセンター周辺には私以外の足跡がありました。玉原湖まで行った人たちがいたのかもしれません。
春の日差しがあり、人が雪を踏んでくれたおかげで、ここからの道はスノーシューを外しても歩けました。
帰りは、駐車場への近道はやめました。もうスノーシューを履いて雪の坂道を登るのは足が痛くて無理だと思ったのです。人が通った跡がある林道をそのまま行って完全に除雪された道に出ました。かなり遠回りになりますが、足の上げ下げが無いので、ダラダラと歩いていれば良いのです。
駐車場に戻ったのは1時少し前でした。
車に乗り込んだ途端、猛烈に足が攣りました。水分補給が足りず、疲労があったからでしょう。魔法瓶に入れたお湯は、水彩を描く時に使ってしまったのです。
しばらく休憩して車が運転できる状態になってから帰途につきました。