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青年小屋まで

 山の絵を集中的に描きたいと思いました。そのためには、山で1泊以上しなければダメです。雲取山か八ヶ岳かどちらかにしようと思いました。青年小屋が11月上旬までなので、まず八ヶ岳に行くことにしました。

 10月31日、家を4時ごろに出ました。途中双葉SAで朝食をとり、小渕沢ICで降りて観音平まで車で行きました。

 家を出るときに、少し喉が痛いなと思ったのですが、出発したのです。

 観音平の駐車場を出発したのはちょうど7時でした。手前の広い駐車場の奥にも駐車場がもう一つありました。登山道は、奥の駐車場脇から伸びていましたが、帰りには、写真で言うと右の方へ直接出てくる道を使いました。

 駐車場から50分で「雲海展望台」につきました。ベンチがあり、休憩にちょうど良い場所です。富士山が見えます。

 台風で倒れた樹木が何本もありました。

 笹原の中の登りが終わると、岩が目立つようになりました。

 編笠山の巻道分岐です。ここで8:43です。右のほうへ行けば、編笠山の山頂部分を巻いて青年小屋へ出る道です。

 編笠山山頂には後で行くことにしていたので、まずは巻道を通って青年小屋へと向かいました。

 巻道はしばらくは岩の道を登って行きます。

 途中、やや緩やかな道になりますが、小屋まで20分と書かれた標識からは岩だらけの道の登りになります。道はぬかるみになるのでしょうが、たくさんの靴跡のまま凍っていました。


 青年小屋に着いたのは、10時でした。トイレは廊下の奥にあるものを使うように表示がありました。「こんにちは」と呼びかけなが室内へ入りました。人の気配がしませんでした。

 青年小屋からは富士山が良く見えます。

 入り口に戻りよく見ると「ボッカ中です」との表示がありました。

 この時、実は喉の痛みがひどくなり、さらに頭もボーっと熱い感じで風邪の症状になってきていました。

 しばらく小屋の中で休みましたが、体調は良くなりそうもなく、このまま熱でも出してダウンし、小屋の人に迷惑をかけてはいけないと下山することにしました。もう西岳へ登って絵を描く気力もなかったのです。

 携帯で小屋の人に連絡しようとしましたが、携帯は圏外でした。仕方なく、名刺にメモ書きし「ボッカ中」の表示の下に置きました。

 観音平あたりはまだポカポカな日差しで暖かかったのですが、青年小屋の前は冷たい風が吹き、手袋をしていても手が凍える感じでした。

 編笠山から降りてきた人が、山頂は冷たい風が強かったと言っていました。

 青年小屋から権現岳の方を見ると、樹木の枝が真っ白に凍った様子でした。

 体調が良かったら絵を描きに行くところです。

青年小屋を10時40分に後にしました。

 しばらく降ったところで、携帯が圏外ではなくなりました。そこで麓にいる小屋の人に連絡を取り、宿泊をキャンセルさせてもらいました。

 途中、何組からの若い人たちに出会いましたが、中にはテントを背負っている人たちもいました。山の上のテント泊はかなり寒そうです。

 巻道の分岐に11時46分ですから、巻道ですが下りでも1時間はかかっています。

 岩だらけの道が終わると、笹原の道です。

この笹原の道になってから、なかなか駐車場につかない気がしました。

 


 いよいよ駐車場が近くなってきたあたりは、紅葉の落ち葉がまだ落ちたばかりなのでしょう。美しい色を保ったままでした。

 駐車場には13:19に到着しました。まだここから家までは車で3時間近くかかります。

 観音平から下る道は紅葉がまだ美しいです。その美しさに車を停めて写真を撮りました。

 今回は絵を1枚も描けませんでした。とても残念です。

 家について、すぐに医者へ行きました。その頃にはひどい風邪の症状で、下山して正解だったと思いました。

 元気になったらまた山へ行こうと思います。

風邪が流行っているようですから、皆さんもお気をつけください。