天気が良ければ、描き途中のケヤキの木を描きに行くところでしたが、曇りとの予報なので、近場の山へ行くことにしました。
伊豆ヶ岳は何度か登っていますが、最後に登ったのは、小学生だった息子達を連れてですから、もう20年以上も前のことになります。
しばらく描いていなかった山の絵を描きたくて出かけました。
西武線の正丸駅から9時に歩き始めました。車道が途切れるあたりに、左手に直接伊豆ヶ岳へ向かう道もあったのですが、正丸峠の方へ向かいました。谷筋の道から車道と茶店のある正丸峠に出るところは少し興ざめです。正丸峠には9時58分に着きました。
快適な尾根道を歩き、小高山というピークを過ぎて伊豆ヶ岳に近づくといよいよ岩場が目の前に立ちはだかりました。息子達を連れて来たときは、この岩場を登ったのですが、今回は女坂へ迂回しました。しかし、その女坂も先の方が道が崩壊しているとのことで、途中から伊豆ヶ岳山頂へまっすぐ登るルートに変わっていました。しかし、こちらの方は、落石の心配はありません。
伊豆ヶ岳山頂には10時46分に着きました。正丸峠から50分ぐらいです。
平日でしたが、山頂には10名ほどの登山者がいました。谷を隔てて木の間越しに武川岳が大きく見えます。当たり前ですが、伊豆ヶ岳にいては伊豆ヶ岳は描けません。山頂の南の端から見ると、隣に手頃なピークがあり、どうやら山頂もそれほど樹木には覆われていないようです。それほど時間はかからないと思い、行ってみることにしました。
古御岳という表示がありました。
伊豆ヶ岳は木の間越しになってしまいますが、葉をつけていない細い枝ですから、これなら描けると思い、すぐに水彩の道具を出して描き始めました。
登って来たときは汗をかくぐらいだったのですが、描いている場所が日陰ということもあり、じっとしていると寒く、ダウンジャケットを着て、さらに雨具を着て、それでも少し寒いくらいでした。
山の絵は難しいです。だいぶ悪戦苦闘して、やっと表したい感じに近づきました。しかし、その分、手数は入り過ぎました。
伊豆ヶ岳の絵を1枚描いて、それで帰っても良かったのですが、古御岳の山頂から南へ下る道の感じがよかったので、もう1枚描いてみることにしました。
コンテを白とこげ茶を持ってきていたのですが、オイルパステルを持って来れば良かったと描いていて思いました。ややピンクがかって白く輝く細い枝の感じが出せなかったのです。
古御岳と伊豆ヶ岳の鞍部に西吾野方面へ降る道があることに気づきました。それまでは、正丸峠と伊豆ヶ岳の途中にある道を正丸駅方面へ下るつもりだったのです。
西吾野駅へと小さく書かれた表示の先は、道らしい道は見えていません。良く見ると伐採された倒木の間に道が続いているようでした。木に巻かれたカラーテープに導かれ下って行きましたが、下るに連れて道ははっきりとしてきました。あまり良い道とは言えません。元々は山仕事に使う道なのでしょう。30分程下ると、林道に出ました。しかし、その林道も途中は崩れています。しばらく行くと舗装された道になりました。そして右手に綺麗な公衆トイレもありました。
ここからが遠かったのです。西吾野の駅まで1時間ほど舗装道路を歩くことになりました。
のんびりと山村の景色を眺めながら下って行きました。
今回、久しぶりに奥武蔵の山を歩いてみて、気になったことがあります。やたら「土石流注意」の看板があり、谷や山肌が荒れているのです。山を管理する人材が不足しているのでしょうか。十分管理されていない杉や檜の植林は、木がやせ細ったままです。倒木もそのままです。木材が活用されず、谷が荒れていくだけなら、針葉樹林の森は、広葉樹林の林に変えていく方法もあるように思いました。