半磁土を使ったものがありますが、多くは美濃赤という粘土を使って、犬の人形を作りました。
なかなか決定的なデザインが決まらず、いろいろな犬を作ってみました。
中の粘土をくり抜いてあるものもあれば、そうでないのもあります。十分乾かしました。
柏にある陶芸教室へ家内と通っています。そこの駐車場を使わせてもらい、焼くことにしました。
煙が出るので、なかなか住宅地ではできないのです。
まず、七輪に炭を入れ、その上に10号という大きな植木鉢を乗せます。それに炭と作品を入れて行きます。
作品は、炭で傷つかないようにティッシュにくるんであります。
さらに炭を積み上げます。
この植木鉢の中に炭と一緒に粘土の犬が21匹入っているのです。
植木鉢が陶芸の窯になるのです。
炭が高温になってくると、植木鉢は途中で大きな音がしてヒビが入ります。
ヒビが入るだけなら良いのですが、バラバラになってしまっては大変ですから、足場の丸太の結束に使ったりする、なましの針金(番線と言います)で縛りました。
以前、同じように七輪で陶芸をしたときに、やはり下の植木鉢にヒビが入り、ヒビだけならよいのですが、ポコっと植木鉢の一部が外れてしまったことがあったのです。
今回もたくさんヒビが入りましたが、最後までバラバラにはならずにすみました。
最初に、七輪に入れた炭にガストーチで火を点けます。
全部の炭に火を点ける必要はありません。この加減が難しいのですが、最初から炭に火を点けすぎると、植木鉢の炭にも早く火が移り、急激に温度が上がってしまうのです。
1時間後ぐらいに植木鉢の炭に火が移るぐらいで良いのです。写真は、火が点いたかどうか手をかざして確かめているところです。
1時間もかからず、火が植木鉢の炭に移ってしまいました。この段階で、七輪の炭は真っ赤に燃えています。
今回は、小さな作品ばかりですし、十分乾燥してあったので、割れることはないと思っていました。実際に一つも割れませんでした。
しかし、以前やった時に、やはり20分ぐらいで植木鉢まで火がまわったことがあり、乾燥が不十分で肉厚であった作品がボーンと音を立てて割れてしまったことがあったのです。
植木鉢の炭に火がまわると、盛んに煙が出てきます。安い炭だと、この煙の匂いがきついのです。
上に乗せてある素焼きのかけらの蓋を取り、上から覗いて見て、上の炭まで火がまわったら上の植木鉢を外して、うちわで勢いよく扇ぎます。
ここまで3時間程かかりました。
うちわで扇ぐと炭が勢いよく燃え、刀鍛冶の炭のようです。
おそらく炭火の中は800℃は超え1000℃近くになっていると思われます。
できれば、ここで良い炭を足してやりたいところですが、今回、そうした準備ができていませんでした。
うちわで扇ぐこと1時間ほど、いくら扇いでも火力が出なくなり、炭もだいぶ燃え尽きてきました。
上の方にあった作品が見えてきたので、火ばさみで引っ張り出して見ました。良いオレンジ色になっているものもあれば、煤けたようなもの、薄茶のままのものなどあります。
4時間以上経ち炭の火力が無い状態なので、どんどん作品を引っ張り出しました。
まだ、とても熱いので、手で触ることはできません。軍手で触ると軍手の跡がついてしまいますので、火ばさみで触ります。
写真の作品たちはまだ灰がいっぱいついています。
焼きあがった21匹の素焼きの犬たちです。
伏せている犬は、妹のところの犬をデッサンして、それをもとに作ったので、リアルな感じにできています。他の作品は写真を見たり、想像で作っています。
干支の犬づくりを考えた時、一番最初は遠吠えする犬だったのです。リアルなものというよりもデフォルメした人形にできないかと思ったのですが、中途半端な状態です。次にお手をする犬を作りました。いろいろなタイプの犬で作って見ました。これは、もっと作ってみようかと思っています。そしてそれは素焼きではなく、釉薬もかけ、陶芸の先生のところで焼かせてもらおうかと思っています。ただ、陶芸教室の作品が溜まっていないので、次の窯焚きは早くても3月頃になってしまうのかもしれません。
七輪を使った陶芸は、昨年の12月に中学校の美術部の生徒と一緒に行って以来です。火のあたり具合で様々な色合いになるので面白いです。煙の問題で、どこでもできるわけでないのが残念です。しかし、またいつかやって見たいと思っています。