12日(火)4時半に起きました。昨夜からの雨は降り続いています。テントから出るには、雨具を着なければなりません。こういう時は折りたたみ傘があれば便利だと思いました。雨具を着て外へ出たら、雨具は濡れます。濡れた雨具のままテントの中には入りたくないので、一旦外へ出たら、テント撤収だと考えました。まだ、外は薄暗いです。荷物のパッキングを行い、5時過ぎまで外が明るくなるのを待ち、それから雨具を着て外へ出ました。
ババ平のトイレは本当に快適です。昨年作られたばかりのようですから、以前の最悪とも思えるトイレしか知らない人は信じられないと思います。用を済ませたあと、しばらく入口のドアの内側で、外の雨降る景色を眺めていました。まだ、誰も他のテントからは出て来ません。
テントへ戻り、一気にテントをたたみました。フライシートを外して折りたたみ、支柱を抜きました。荷物はしぼんだテントの中にあります。最後にしぼんだテントの中からザックを取り出すと同時に、テントを折りたたみ、ザックの底のチャックを開けてテントをしまいました。テントは濡れているので折りたたむときに水を絞りましたが、それでも重くなっています。
テント場を後にしたのは、5時43分でした。
6時10分、槍沢ロッジに立ち寄りました。テント場の使用料を払うためです。
朝食を食べていなかったので、売店で、揚げドーナッツを買って食べました。
持っていた携行食料は途中で食べるためにとっておきました。
槍沢ロッジの入り口には、これから出発する人たちが集まっていました。
これから雨の中を登るのでしょうか。
私は、6時半頃ロッジを後にしました。
槍沢は増水しています。
道は、槍沢沿いのところもありますが、まだ大丈夫です。
槍沢に注ぐ支流をいくつか越えて行くのですが、一の俣や二の俣のようにしっかりとした橋があるところは問題ありません。
細い支流は、流れが道を横切っています。もっと雨がひどくなると、そうしたところは通りにくくなると思われます。
途中で、カエルを何匹か見かけました。雨でカエルは元気なようすです。
黄色いカエルは初めて見ました。
上高地の河童橋に戻ったのは11時です。
キャンプ場から4時間15分かかりました。
雨で歩きにくいのは確かですが、道はよく整備されています。登るときは、なんで道の真ん中に石を並べて置いたりしているのだろうと思いましたが、帰りにわかりました。雨の日には水たまりになってしまうのです。しかし、石の列があるおかげで水たまりに突っ込まなくて済むのです。
大勢人が訪れるところだけあって、よく整備されています。
「明神」からは、登山者ではなく、観光客の姿も見られます。雨の上高地を楽しむのも良いかもしれません。しかし、私はその気持ちの余裕はあまりありませんでした。
11時10分、バスターミナルへ着きました。沢渡行きのバスが11時25分にあります。切符売り場に行くと、券売機があるのですが、受付の人がお札が濡れていたら両替しますと声をかけてきました。確かに財布の中の1000円札は湿っています。見せて「大丈夫でしょう?」というと「ダメです」と両替してくれました。湿ったお札で券売機が詰まってしまうことがあるようです。
バス乗り場で、濡れた雨具を脱ぎ、帽子や手袋やザックカバーなど濡れたものはひとまとめにしました。アルピコ交通の路線バスは観光バスです。汚れた格好のままでは、とても座れない座席です。ザックや濡れたものは、バスのトランクへ入れてくれました。バスの窓から見ていると、雨の中でも傘をさして大正池などの遊歩道を歩いている人たちがいます。雨の中の静かな散策も良いのかもしれません。
このブログを書いていた13日は、東京は晴れていました。槍ヶ岳も晴れているのかなあと思いました。もしそうだったら、11日12日と2日間殺生ヒュッテに停滞していたら、素晴らしい景色を見ることができたのだろうかと思いました。
混雑した山の中は嫌なので、その意味では、とても静かな山歩きができました。しかし、山頂からのダイナミックな景色は見たかったです。
また、次の機会をねらっています。