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槍ヶ岳へ行きました。1日目

 初めての槍ヶ岳です。そもそも私は上高地も初めてなのです。高校生の頃から山歩きを楽しんでいながら、今まで一度も北アルプスへ足を踏み入れていませんでした。土日は晴れるという予報でしたが、混雑を心配し、日曜日から火曜日の日程で行きました。北アルプスの山小屋は混むという話を聞いていたので、テントを背負って行きました。

 10日の日曜日はとても良い天気でした。

 

 早朝2時半に東京を出発したので、沢渡には6時に着きました。沢渡大橋にある有料駐車場に、案内人に導かれるまま入ってしまいましたが、駐車場はもっと先にもたくさんあることが帰りにわかりました。その駐車場は、タクシー会社と一緒の経営のようで、先にいた大学生2人と相乗りを勧められました。1400円とのこと。バスでも1250円ですから、相乗りならそれも良いかとタクシーに乗りました。

 

 ブログの最初にある写真は、河童橋と穂高連峰です。ちょうど朝7時頃です。早朝なので、まだ人は多くありません。


 道は、林間のキャンプ場にさしかかりました。小梨平キャンプ場です。キャンプ場の片隅に油絵の作品がたくさんイーゼルなどにかけてありました。奥にテントがあります。テレビで紹介されたことがありましたが、4月から10月頃までテントを張って絵を描かれている吉田さんという方のようです。

 私も、水彩の道具を持ってきましたが、初めてのコースなので、距離の感覚がつかめておらず、途中で絵を描くことは諦めて先を急ぎました。


7時45分ごろ明神に着きました。晴れた空に明神岳がそびえています。

上高地を出発してから「明神」「徳沢園」「横尾」がちょうど良い休憩ポイントになります。


はるか彼方三角トンガリの山の向こう側が槍沢です。遠いなあ。右手のこんもりした林の中が徳沢園です。徳沢園のキャンプ場は草地にあり、とても快適そうです。徳沢園到着は8時35分頃。明神から45分ほどできました。


9時半頃横尾に到着しました。ここで橋を渡ると涸沢へ向かい穂高岳の懐に入ります。槍ヶ岳へは、橋を渡らずそのまま先に進みます。すぐに蝶ヶ岳への分岐があります。

私は、早朝に出てきて、朝食を食べていなかったので、ここへきて急にバテてきました。ザックを降ろし、持ってきていたチョコレートパンと小豆パンを食べたら元気になりました。

日曜日ということもあり、人は多いですが、7月8月ほどではないのでしょう。

最初に立てた計画では、横尾のキャンプ場にテントを張るつもりでいました。しかし、10時前ですから、あまりにももったいないです。第2案としていた、ババ平のキャンプ場に向かうことにしました。ここで、家内へ携帯でそのことを連絡しました。ここから先、私のiPhoneはソフトバンクなのですが、圏外になりました。スマホは3日間電池を持たせることを考え、必要な時以外は電源を切ることにしました。


横尾を10時頃出発しました。横尾までは車も入れるくらいの道ですが、急に登山道らしくなりました。道は槍沢沿いに進みます。時折支流を横切ります。横尾からちょうど1時間ほどで、一ノ俣にきました。横尾まではマップのコースタイムよりも早いペースでしたが、ここまではマップ通りのタイムになりました。少々肩の荷物が重く感じられるようになりました。


12時に槍沢ロッジ到着です。ロッジの前にはたくさんの人がいましたが、これから登る人よりも下る人の方が多そうでした。槍沢ロッジの前から木の間越しに槍ヶ岳の山頂が見えました。

予定では、この先にあるババ平のキャンプ場に泊まるので、槍沢ロッジでテント宿泊の手続きをしてから、ここで昼食にしました。


槍沢ロッジからババ平のキャンプ場までは、思ったより距離があります。30分はかかったように思います。

もともとこの場所に槍沢小屋があり、毎年雪崩の被害があることから今の場所に槍沢ロッジが建てられたとのことです。

このテント場の良いところは、綺麗な水場とトイレがあることです。写真に見える小屋がトイレです。男女別々に別れており、男子用の方は小便器と洋式便器の個室が2つありました。洋式便器はとても清潔で、匂いはほとんどしません。小と大を分けて集めるようになっているのかもしれません。小を受け止める口と大を受け止める口が分かれていました。

使ったペーパーは横の箱に入れることになっていますが、ロッジの人がここまで頻繁に上がってきて焼却するのでしょうか、あまり溜まっていません。

さてまだ、2時前です。無理すれば明日の予定の殺生ヒュッテキャンプ場まで行ける時間かも知れません。しかし、私にはもう体力的に限界でした。


水彩の道具を取り出し、腰掛けるのにちょうど良い岩の上に座って目の前の東鎌尾根を描きました。ここからは槍ヶ岳は見えないのです。

あとは、テントの中に入って持ってきた文庫本、串田孫一の「若き日の山」を読みました。テントの入り口を開けておくと気持ちの良い白い雲が流れていきます。

この日は、夕方5時頃に夕食を食べ、6時頃にテントの中でシュラフに包まったのですが、そのまま明け方まで寝てしまいました。きっと星空が美しかったに違いありません。残念。

                                        2日目に続く