ダンボールを使った作品例をいくつか紹介します。主に中学校の美術の授業で使える題材として紹介します。
これは、20年以上前に九州の湯布院にある「わたくし美術館」で買い求めたダンボールによる絵葉書です。宛先を記入すれば、湯布院からこのハガキを送ってくれました。ダンボールの真ん中はくりぬいて別の紙をタイルのようにはめ込んであるのですが、それが良い感じでした。
この作品に出会って、私は中学校の美術の授業での教材化を考えました。「わたくし美術館」は今でもありますが、この作品を扱っているかどうかはわかりません。
私の作品です。ギターの演奏と昆虫の写真撮影に秀でたアメリカ人の講師がいたので、その方へ差し上げるつもりで作ったハガキです。
ダンボールによるハガキ作りは安価にできます。ダンボール箱を壊して利用しても良いのですが、できればダブル構造になったダンボールを使った方が私の作品のようにくぼみを作ることができます。ダブル構造のダンボールはホームセンターでベニヤサイズで300円程で購入できます。
この3つの作品は生徒作品です。これらはかなり良い方です。なかなかこのようにはできません。綺麗にくぼみを作ったりする技が足りず、汚い切り口になってしまうのです。カッターの扱いが不慣れで、切り口がガタガタになってしまったりするのです。カッターの刃は切れにくくなったら刃を折って使うということも知らない生徒がいます。
この作品は、新潟県で行われた「妻有アートトリエンナーレ」で見かけた作品です。これを見て、ダンボールによる額縁作りの教材化を思い立ちました。
これは、生徒作品ですが、かなり優秀な生徒作品です。なかなかこうはいきません。ダンボールの表面を部分的にカットしてダンボールの段を装飾として活用することがダンボールによる額縁作りの狙いです。表面に貼る紙や布などは自分の家から持ってこさせました。
厚さの薄いダンボールのロールがその学校にあったので、その活用方法を美術の先生と一緒に考えました。私は初任者の美術教員の指導担当だったのです。
額縁作りやハガキ作りのものよりも、もっと薄いダンボールです。そのしなやかさを生かせないかと考えて考え出したのが仮面作りです。
これは中学2年生の作品です。動物ではなく、人物やロボットのような仮面もありましたが、出来上がった作品を見て、面白かったのは動物の作品でした。鼻や口が突き出た形の方が変化のある造形になったからかもしれません。
この学校では、仮面が完成してから1時間使って仮面劇の発表会を行いました。個人でもグループでも良く、時間は3分以内という設定で実施しました。自分で作った仮面を被り、私が用意した色々な布をマントのように羽織って出演しました。音楽は著作権フリーの音楽を5曲用意し、その中から事前に選ばせて流し、その音楽の中で演技をするという方法を取りました。
卵の半分のような形を基本形にしました。これに色々付け足して行くのです。
人物の仮面と動物の仮面は私の試作品です。やはり動物の方が面白くなりそうです。
若いアーティストで本濃研太さんという人がいます。昨年初めてこの人のダンボールによる動物の作品に出会いました。正直驚きました。ダンボールでここまで迫力のある作品ができるとは思っていなかったのです。
この動物の作品の作品展があってから数ヶ月後、今度はダンボールによる仮面の展示がありました。ほとんどの作品を動物の展示の後に作ったとのことでしたから、寝る暇も惜しんで制作に没頭されたのだと思います。私が注目している作家の一人です。
この仮面の作品を先に見ていたら、中学校での仮面作りのレベルがアップしていたかもしれません。仮面作りの時の美術の先生もこの展示を見に来ました。