えっ! これボールペン?

 美術の先生が、市販されていたネギの形をしたボールペンを持って来て、これを授業でできないだろうかと私に言ってきました。その頃は、私は授業を持っていなかったのですが、面白いと思ったので、試作品をたくさん作り、授業の教材化に協力しました。

 これは、「カシワニ」という千葉県柏市のマスコットキャラクターです。樹脂粘土で作ることにしましたが、様々な粘土が市販されているので、その違いを見るために3種類作りました。

 美術部の生徒にも作らせ、様々な形のボールペンができました。それを見て、美術の先生は「食べ物限定」で作らせたいと言いました。授業においては、ある程度条件を出した方が、生徒の考えが深まることがあるのです。



 これらは私が作った試作品です。生姜はボールペンをそのまま粘土で包みましたが、他のものは、ボールペンの替え芯をストローに差し込んであります。そうすると、替え芯だけ抜き出すことができるのです。小さなタイプは、替え芯を短く切ってありますが、後ろの方を切らないで、先の方を切り、ペン先を差し込んでいます。そうしないと、インクが漏れるのです。

 ある程度の大きさのものは、ダンボールを芯にして、それに粘土をつけています。

 授業に入ってから、何を作ろうかと考えさせるとそれだけで時間が経ってしまいます。すぐ考えつく生徒もいれば、そうでない生徒もいて進度差ができます。それを少しでも避けようと考えて作ったのが授業予告ポスターです。美術部の生徒に協力してもらい作成しました。

 それでも実際には、授業がスタートしてなかなか取りかかれない生徒と、あまり深く考えずさっさと制作に入る生徒がいました。

 

 授業は2学期の途中から始まりました。想定外だったのは、樹脂粘土が寒くなると固くなってしまい扱いやすい硬さにするのに時間がかかることでした。私が試作したのは夏だったのです。

 樹脂粘土は、ものによってはひび割れしやすいものがあります。2年目に実施した時には樹脂粘土ではなく、軽量粘土を使いました。樹脂粘土のようにカチンとした出来上がりにはならないのが残念ですが、寒くても固くならず扱いやすい粘土でした。