アニメーション作りに挑戦

 アニメーションは、中学校の美術の教員だった時に、パラパラマンガを大きくしたような形で、生徒に作らせたことがあります。その頃は、パソコンの性能もよくなかったので、8mm撮影機(素人がムービーを撮影するためのフィルムカメラです)で原画を一枚一枚コマ撮りをしてアニメの映画にしました。

 その後、中学校にもパソコン室ができ、パソコンも進歩した頃、Photoshopエレメンツを40台分入れてもらい、gifアニメーションを作らせました。

 今は、もっとパソコンの性能も上がったので、コマ撮りアニメをやってみようと思えば、いろいろできます。ただし、学校のパソコンに、Photoshopエレメンツや、私の使っているAdobe Premiereが入っていることはまずないでしょう。今は、学校予算も厳しいと思うので、そう簡単に、入れてもらえるかわかりません。私は、学校のパソコンにそうしたソフトが入っていない場合は、アニメーションへの編集は自分のパソコンで行っていました。その場合は、授業では無理で、部活動どまりでした。

 しかし、今はアニメーションが表現の方法として身近にあり、しかも優れた表現がたくさんあります。かつては、美術の授業で「マンガ」的な表現は、美術の表現ではないとして教師から敬遠されたのですが、今は、教科書の中にあるのです。幸いか、学校現場は、急激なスピードで若い教師が増えています。ぜひ、アニメーション作りに美術教育の場でも挑戦したら良いと思います。生徒によるアニメーション作りが評価されてくれば、アニメーション制作に必要なソフトの導入もしやすくなるかもしれません。

簡単なクレイアニメーション

Van Akenというアメリカの会社が出しているプラスタリーナあるいはクレイトゥーンというカラフルな油粘土が便利です。

2010年頃、中学校の美術部の生徒に作らせてみました。最初の動画は私が作った見本です。この程度の簡単な動きから始めるのが良いと思います。私の作った見本は、BGMに「ピタゴラスイッチ」の曲を使っていたのですが、ここにアップするために著作権フリーの音楽素材を提供してる「Music-Note.jp」の素材に置き換えました。このページを作成するために、著作権フリーの音楽素材を提供しているHPを調べましたが、いくつかあります。個人や学校でアニメーションを作る場合、そうしたHPはありがたいです。


フォトショップエレメンツを使ったアニメ

 Photoshopエレメンツを使ったアニメーションを生徒に作らせたのは、2007年頃です。中学校のパソコン室のパソコン40台分にこのソフトを入れてもらえたからです。パソコンを使った授業の試行錯誤の時でもあったので、荒井康郎先生という意欲的な先生がいたおかげで、このソフトが入れられたのです。もちろんアニメを作るためだけでなく、パッケージデザインなど美術の授業でPhotoshopエレメンツは役立ったのです。

 私は、荒井先生に、レイヤーという仕組みを使い、パラパラ漫画のようにアニメーションを作ることを教わりました。そして中学生に作らせました。自由テーマで作らせたものもありますが、中学生はいきなり、ストーリー物を作ろうとします。そうすると膨大な量のレイーヤーが必要となり、中途半端になってしまう可能性があります。「走る」「転がる」など共通テーマで、数秒のものを作らせ、それをつなげたほうがある程度の長さのアニメーションができ、他の人に見てもらうにはちょうど良い作品ができます。「走る」など「棒人間で良い」と生徒には言いました。それでも走っている感じに足の動きを描くのは難しいのです。


ライトドローイングを使ったアニメーション

 暗室の中でカメラを5〜10秒間ぐらいシャッターを開放にし、その間にペンライトに色セロファンをかぶせたもので絵を描き、その軌跡を写します。それを何コマか撮影し、コマ撮りアニメーションとして編集しました。暗幕が無くても、農業用の「マルチ」という黒いビニールシートで良いのです。これは安く手に入ります。校長室の窓にこれを張り、暗室にして、美術部の生徒に作らせたのがこのアニメーションです。

 BGMは「音楽研究所」というHPから著作権フリーの曲をダウンロードしました。


黒板を使った簡単なアニメーション

 中学校の美術部で男子生徒が黒板に落書きを描いていました。ゲームに出てくるようなキャラクターを描いているのです。それを見てアイデアがひらめきました。たまたまデジカメを持っていたので、そのキャラクターをまず1枚撮影し、手足の一部を黒板消しで消して、生徒に少しポーズを変えた手足を描かせ、それを撮影しました。その2枚を繰り返しのアニメーションにしたのです。曲は、栗コーダーカルテットの「羊どろぼう」という曲がちょうど合っていて良かったのですが、HPにアップするにあたり「Music-Note.jp」の著作権フリー曲に差し替えました。


アルミ線を使ったアニメーション

 パペットアニメーション用の人形を試作していた時、近くにあったアルミ線で蝶を作ってみました。手のひら上で羽ばたくように駒撮りしてみました。BGMは「Music-Note.jp」の曲です。


バルサ材とアルミ線を使ったパペットアニメ

 粘土だけで、手足のある人形を作るのは大変です。手足が動く人形となると、アルミ線や針金などを手足にすることが良いと思います。曲げやすいのはアルミ線です。柔らかいアルミ線でも大丈夫なように胴体は軽くしたかったので、バルサ材やコルクを使いました。まず、犬を作ってみました。耳や口は、アルミ缶を切ったものや、絵の具のチューブの金属を使っています。粘土をこれにかぶせてもよかったのでしょうが、まずは、動かしてみたくて簡単に組み立てたものだけでコマ撮りをしてみました。BGMは「Music-Note.jp」からです。


コルク君を歩かせる

 人形を自然な感じに歩かせるというのは、難しいです。何回もやってみて、ようやくわかってきました。しかし、その前に人形を立たせるという課題があります。最初は人形の足の裏に細い針金を接着し、発泡スチロールの板の上に刺して、立たせるようにしました。次に考えたのが、人形の靴を小さな木で作り、その裏に厚い両面テープを貼り付ける方法です。今のところ、この方法でやっています。

 「歩く」というのは、意外と難しく試行錯誤中です。膝の部分を曲げたり伸ばしたりできないと自然に歩く感じを作れないので、足は曲げやすいアルミ線が良いです。1作目は歩いている感じにならず、これは2作目です。BGMは自作しました。